リンパ浮腫外来 Lymphedema outpatient
リンパ浮腫はがんの手術でわきの下や骨盤のなかにリンパ郭清術をうけられた後や放射線治療、化学療法の副反応として、リンパの流れが悪くなる事で手や足に発生します。
近年、リンパ浮腫のケア方法の知識の普及は目覚ましいものがありますが、リンパ浮腫の悩みを抱いている患者さんやご家族は大勢いらっしゃいます。リンパ浮腫は一度発症すると、完治することが難しくなりますが、適切なケアによって生活の質を保つことができます。
当院では、個々の患者さんの症状に合わせた複合的治療(スキンケア・生活指導・運動療法・リンパドレナージ・圧迫療法)をおこない、患者さんご自身と、ご家族が行えるケアの指導を、専門のセラピストがおこなっております。
完全予約制となっておりますので、事前にご予約ください。
尚、当院では全身リンパドレナージは実施しておりません。
- リンパ浮腫とは
- 体内で流れているリンパ管内には、リンパ液が流れているのですが、何らかの理由でリンパ液の流れが滞り、リンパをうまく血液中に戻すことが出来ずリンパ液が溜まってしまった状態を「リンパ浮腫」と言います。リンパ浮腫は状況や原因によって大きく二つのタイプに分かれます。一つは、先天性のものを含めた原因不明の「特発性リンパ浮腫」です。もう一つは、放射線治療、外傷治療などの後遺症として明らかな原因が把握できる「続発性(二次性)リンパ浮腫」です。
進行と症状の変化
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- 初期症状
- 手術後すぐに発症する人もいれば、10から20年かけて発症する人など発症のタイミングは人それぞれ異なります。 初めはなんとなくだるい、むくみが少し気になるなど比較的気にならない方が多いです。
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- 中期症状
- 症状が悪化するにつれて、腫れによる痛みやこわばり、皮膚が硬くなり手首足首を動かしづらくなるなど様々な自覚症状が出てきます。また、指輪がきつくなり入らなくなった、靴が履きづらくなった、など生活での変化も併せて起こります。
更に症状が重症化すると、手先を使って細かい作業ができない、歩行するのが困難になる、腫れと同時に炎症し熱を持つ合併症「蜂窩織炎」を起こすなど様々な可能性があります。
上記のようなリンパ浮腫の進行に伴う症状の変化には常に注意を払う必要があり、このような初期症状があるということを理解する必要があります。 がん手術後の方は特にリンパ浮腫になるリスクが高いので定期的な診察・検診を行うよう心がけましょう。
上記のようなリンパ浮腫の進行に伴う症状の変化には常に注意を払う必要があり、このような初期症状があるということを理解する必要があります。 がん手術後の方は特にリンパ浮腫になるリスクが高いので定期的な診察・検診を行うよう心がけましょう。
予防対策
リンパ浮腫を防ぐためには、日頃から発症や悪化を防ぐ対策をする必要があります。
以下の事に注意して習慣にしましょう。
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- 怪我や虫さされなどによる感染を避ける
- 手術した患部やその周辺はリンパの流れが低下しているため、細菌感染や炎症が起こりやすい状態になっています。屋外での作業や外出する際は長袖を着て防止をする、日焼け止めを塗るなど必ず行いましょう。万が一虫に刺された場合は、ひっかいたりせず、皮膚に傷をつけないようにかゆみ止めの薬を塗りましょう。
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- 皮膚を傷つけないようにする
- 鍼、灸、湿布によるかぶれや脱毛処理や深爪など皮膚の刺激は炎症が起こるきっかけになるのでなるべくおこなわないように心がけましょう。
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- 腕や手の締め付けを防ぐ
- 手術した側の腕や周辺を締め付けるような下着・衣服、アクセサリーなど、腕を圧迫しやすく痕がつくようなものは身につけないようにしましょう。手術した側の腕の血圧測定や長時間の腕枕やマッサージなども局所的に強い圧がかかり、リンパ浮腫を誘発することもあるのでなるべく避けましょう。
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- 適度に動く、腕を下げっぱなしにしない
- 長時間同じ姿勢を続けるとリンパが滞りやすくなって症状が悪化しやすくなるので、軽いストレッチを行うなどしてリンパの流れを促進させましょう。実際に筋力トレーニングはリンパ浮腫の予防に効果的といわれています。また、長時間パソコンで作業を行うときや、テレビを観ている時などは、クッションの上に肘や腕を乗せるなどして、心臓よりも高い位置にする工夫を行うと手の重さを分散してくれ、リンパの滞りを防ぐことが出来ます。
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- 体重管理で腫れにくい体を作る
- 体重の急激な増加があった方や肥満の方は、リンパ浮腫の部分に水分が集まりやすい傾向にあります。そのことによってリンパ管を圧迫されてしまい、リンパの滞りが起きてしまいます。腫れの原因を防ぐために日頃の体調管理や食事習慣を見直してみましょう。
完全予約制となっておりますので、事前にご予約ください。
尚、当院では全身リンパドレナージは実施しておりません。
- 外来受診方法
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- 手術実施施設の主治医もしくは現在通院中の主治医による紹介状(診療情報提供書)をご持参ください。
- 保険適用外のため自費診療となります。
・初診: 45分 7,000円(税別)
・再診:症状により所要時間が異なります。30分 4,000円(税別)45分 6,000円(税別)60分 8,000円(税別) - 今後の治療に関する専門医としての意見の提供。