院長ブログ Director's Blog
- 2019/11/19
- コラム
- 術後経過の大切さ
「手術後もずっと通わないといけないんですか?」「術後の経過観察のためだけに通うんですか?」と乳がんの手術を受けた患者様から質問されたことがありました。
もしかすると「このまま一生通わないといけないのではないか」と不安に思っている方も多いと思いますがもちろん、一生通わないといけないことはありません。まずどうして経過観察が必要なのか理解する必要があります。
乳がんの手術を受けた後、患者さまにとって一番心配なことはその後の再発です。
再発を防ぐための治療を受けている一方で、更に画像検査や腫瘍マーカーを含む血液検査などさまざまな検査をその後定期的に受けている患者さんもいらっしゃるかと思います。
初めて発症した時の乳がんは早期発見をして治療することが最も重要ですが、
再発したがんは血液やリンパの流れに乗ってからだのあちこちに流れて再発したものなので完治させることは難しいのです。
したがって再発の早期発見よりも再発する前に「再発予防の治療」をしっかり行うことが重要なのです。
マンモグラフィやエコーで検査をすると、患者様全員が同じような乳腺を持っているわけではありません。
均一で偏りのない乳腺の方だけではなく「乳腺が偏っている」「一部厚みがある」、
乳腺の異常ではなく本来のその人の特徴にもかかわらず、検診をしたときに要精査になってしまうこともあります。
しこりには良性や悪性の2種類ありますが、良性のしこりをお持ちの方でもサイズが大きい場合は手術が必要な時もあります。
逆に見た目は良性のしこりのように見えても実は形が悪く、悪性だったということもありえるのです。
したがって、良性であることをしっかり確認するためには「経過観察」が必要なのです。
では全てのしこりを取ってしまったら良いのではないか?といわれる方も稀にいらっしゃいますが、
全てのしこりを取ってしまうと傷が残ってしまって、その傷のせいでひきつれのように見えてしまい、本来の識別をするのが難しくなります。
いなとめ乳腺クリニックでは笑顔で女性が過ごせる毎日を送れるよう術後の定期健診も行っております。
できるだけ検査を少なくしながら、しっかり治療をして再発防止していきましょう。
不安なことや疑問に思うことがありましたらお気軽にご相談ください。
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