院長ブログ Director's Blog
- 2020/03/02
- コラム
- 乳癌術後の食事療法について
健康的な食事習慣が重要です。
乳がんなど病気になってしまうと、何が悪かったのだろうと原因を探してしまうものですが、現在さまざまな研究でアルコールの摂取や喫煙はやはり乳がんでも明らかに危険因子とわかっています。そのほか1日3回の味噌汁の摂取は1日1回以下の場合よりも乳がんリスクが低下することは以前より明らかにされています。
今回は2020年2月にJCO米国臨床腫瘍学会雑誌からの報告です。
閉経後女性に食事の介入を行い乳がんの死亡リスクを検討する無作為比較試験です。閉経後女性(50歳から79歳)で摂取カロリー換算で脂肪の占める割合が32%以上の方を対象に通常の食事(カロリー換算で脂肪が35%程度)のグループと食事制限(総カロリー換算で脂肪割合を20%程度にしその上で野菜、果物、穀物の摂取量を増やす)を行ったグループを約19年間観察した結果、食事制限が乳がんによる死亡を低下させ、全死亡(乳がん以外での死亡も含む)も低下させたと発表されました。ちなみに食事制限では3%の体重減少がみられたそうです。
以上、乳がんの再発などは明確ではありませんが、いずれにしても健康的な食事つまり脂肪は少なめ、野菜・果物・穀物で栄養を取るということが他の病気にならないという点でも重要となります。
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